人材育成に力を入れている株式会社ニッスイ八王子総合工場の石飛工場長に、社内の雰囲気づくりやコミュニケーション方法と今後の課題、生産マイスター検定を取り入れた感想などについて、お話を伺いました。
―社内の雰囲気づくりで工夫されていることはありますか?
現場での仕事はどちらかというと「やらされてる」といった雰囲気になりがちなので、「各メンバーが自主的に動く」「仕事を楽しむ」方向に持っていけるよう心がけています。
―成果はありましたか?
工場内ではいくつかミーティングを設定していて、その内容も安全・改善など多岐に渡るのですが、より多くのメンバーが何かしらのミーティングに関わることができるよう人選しています。
課題が明確になることで、各メンバーが自分ごととして取り組んでくれますし、リーダーもしっかり司会進行してくれるので、自然に意見を交わし合える雰囲気になっているのが嬉しい収穫ですね。
―意見を交わし合う雰囲気ができると、さまざまなアイデアが生まれそうですね。
日ごろ、どのようなことをお話しされているのですか?
例えば、「こんな商品が出たよ」と街で見かけた新商品を工場に持ち寄って、それを皆で食べ比べて盛り上がる、なんてこともありますね。実際に、工場から商品を提案したこともあります。良いアイデアであれば工場からの提案を本社に受け入れてもらうことも可能です。
―自分たちの意見が採用されるとなればモチベーションも上がりそうですね。
現場の改善につながった例はありますか?
石飛工場長率いる八王子総合工場のメンバー。「少しでも良い商品を効率良く」という意欲が随所に見られた。
小集団活動の一貫としてOTP(オンタイムプロダクション)に取り組んでいます。たとえば、決められた時間に対して生産が遅れた場合、その理由をメンバーで分析して、原因を導き出し問題の解決に取り組む、といったものです。
「ラインの人数を減らすことができた」など、問題点を共有して改善を進めたことで解決されたことも何度かありました。
―なるほど、取り組みの成果がはっきりと見られたのは嬉しいですね!
…ではつぎに、今後の課題や目標などがあればお聞かせください。
ひとつの工場や工程だけを見ていると、考えが偏よってしまいがちなので、外部の方と交流して、新たな視点で情報を仕入れて、積極的に行動につなげて、皆で成長していければと思っています。
ただ、足を運ぶからこそ得られる情報もありますが、それだけでは理解できる事柄が限られてしまうとも感じています。実際に役立つ情報をどのように得るのかが、今後の課題だと考えています。
―なるほど、確かに外部から自社にとって役立つ情報を得るのは一朝一夕にはいかないですよね…我々もお役立ち情報を提供できるように頑張ります!(汗)
―ニッスイ八王子総合工場では生産マイスター検定を導入されていますが、目に見える効果はありましたか?
生産が忙しくてなかなか積極的に取り組めないということもありましたが、その中でも各メンバーがお互い声掛けなどしてモチベーションを維持して受検したということで、これまで以上に一体感が出たのは収穫でした。
―モチベーションを維持できたのは?
担当していない箇所など、普段携わらない部分については勉強する機会がなかなか得られませんが、生産マイスターでは網羅的に知識が習得できるので、その点がモチベーションに繋がったみたいです。
―一体感を実感されたのは?
「こういうテストがあるよ」と若手に伝えて受検を促してくれるメンバーもおりまして、講師と生徒のような関係になって良い人間関係が生まれています(笑)。
受検後「次は2級受ける?」みたいな会話もしていて、生産マイスター検定が継続的なコミュニケーションツールになっているみたいです。
その自主性は、工場長やスタッフがお互いを信頼しているからこそ生まれている、と感じました。
(取材チーム)
株式会社ニッスイ八王子総合工場
家庭用・業務用冷凍食品、フィッシュソーセージ・練り製品などを生産している株式会社ニッスイの八王子総合工場。
食品事業では、国内外の市場において、消費をめぐる様々な変化に対応した新商品を開発し、新たな市場の創造に努めている。
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